2025.07.29

動力噴霧器とは？仕組み・用途・種類をやさしく解説！

動力噴霧器とは？

動力噴霧器（どうりょくふんむき）とは、エンジンや電動モーターの力を利用して、農薬や水、液体肥料などの薬液を強力な圧力で霧状に噴射し、広範囲に散布できる機械のことです。手動式噴霧器と比べて作業効率が非常に高く、畑や果樹園、施設の防除や除草、大規模な清掃作業などで活躍します。

仕組みのポイント

噴霧の動力源は、エンジン（ガソリンやディーゼル）やバッテリー式の電動モーターです。
ポンプにはプランジャ式やピストン式といった種類があり、ポンプユニット内のピストンやプランジャが往復運動をしながら吸入弁・吐出弁を交互に開閉し、液体を圧力をかけて送り出します。
送り出された液体はノズルで微細な霧状に変わり、対象の作物や地面に散布されます。
背負い式、キャリー型、据え置き型、自走式など、多様な形状の製品があり、用途や現場環境に応じて選べます。

動力噴霧器の主な種類・特徴

【エンジン式動力噴霧器】

エンジン式動力噴霧器は、ガソリンやディーゼルエンジンの力でポンプを駆動するタイプで、高出力かつ耐久性に優れています。大容量のタンクと2.0MPa以上の高い吐出圧力を備えており、広範囲にわたる防除や除草作業に適しています。また、長時間の連続使用にも対応できるため、農業現場での本格的な作業に向いています。一方で、エンジン式は騒音が大きく、燃料の補給や管理が必要になるほか、本体の重量も比較的重いというデメリットがあります。

【バッテリー式動力噴霧器】

バッテリー式動力噴霧器は、充電式モーターを動力源とするタイプで、軽量かつ静音性に優れているのが特長です。5〜12リットル程度のタンク容量を持つモデルが主流で、手軽に扱えるため、小規模から中規模の作業に適しています。フル充電でおよそ2〜6時間の連続使用が可能で、日常的な防除や散布作業に十分対応できます。近年では、18Vクラスの高出力バッテリーを搭載したモデルも増えており、より多様な用途に対応できるようになっています。

【形状別動力噴霧器】

動力噴霧器は形状によっていくつかのタイプに分かれ、それぞれに適した用途があります。背負い式は、小規模から中規模の農地や段差の多い場所での作業に適しており、体に背負って使用するため、運搬や移動がしやすいのが特長です。一方、キャリー型や据え置き型はタンク容量が大きく、広範囲への薬剤散布が可能で、機器の重量による負担を軽減できる点が魅力です。さらに、自走式キャリー型では、ホースの巻き取りやエンジン操作を遠隔で制御できるリモコン付きモデルもあり、作業効率を大きく高めることができます。